家系図の書き方について解説!系図線や記号のルール・注意点など

2025.04.08

良い家系図/良くない家系図の特徴

良い家系図の特徴

1.見やすさ・分かりやすさ

   家系図を書くときは、一目で家族関係が把握できることが最も望ましいです。配偶者や子どもの関係が混在しないように系図を整理し、配置や線の使い方にも配慮すると良いでしょう。

2.正確性・信頼性

   日付や名前、つながりの順序などに誤りがないかを何度も確認し、誤情報を極力なくすことが求められます。特に、戸籍や古い家族の記録などの書類や資料を参考にすると正確性を高められます。

3.情報の充実度

   家系図には、氏名や生没年だけでなく、家紋や重要な家族の出来事などを付記すると深みが増します。情報が増えるほど作成は大変になりますが、その分、価値ある家族の歴史すなわちファミリーヒストリーとなります。

良くない家系図の特徴

1.混乱を招く配置・線の引き方

   親子、配偶者や兄弟姉妹などを示す線がはっきりせず、関係性が分からないケースがあります。視覚的に整理されていない系図は、後から見ても理解しづらいので注意が必要です。

2.ルールや記号が曖昧

   夫婦を示す線と兄弟を示す線が同じ形であったり、実子と養子の表記が混ざっていたりすると、見る人に誤解を与えやすくなります。ルールに従っ

た記号を意識して統一することが大切です。

3.裏付けのない情報

   「○○の血筋」という噂だけで系図を作ると、辻褄が合わない部分が出てきます。確証がとれない場合は、家系図に反映するのかどうか慎重に検討しましょう。

家系図の種類

家系図にはいくつかの代表的な作成方法があります。主に、「横系図(横型)」と「縦系図(縦型)」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解して、自分や家族が最も見やすい形式を選ぶことが大切です。

横系図

特徴

  右から左へと年代順に並べて書く方式です。世代間の横のつながりが分かりやすく、特に兄弟姉妹や従兄弟同士などを同じ横軸にそろえて書きたい場合に適しています。

メリット

  ・横書きが基本なので、日本語でも自然に見やすい  

  ・1つの世代が横一直線に並ぶため、同じ世代内の関係把握がしやすい  

デメリット

  ・世代が多くなると、横方向に紙が大きく必要になる  

  ・縦のつながりの深さを示すにはスペース配分に工夫が必要  

縦系図

特徴

  上から下へ向かって世代を示す方法です。最上部にもっとも古い先祖を置き、下に行くほど新しい世代を配置します。伝統的な作成方法の一つです。

メリット

  ・家系の流れが視覚的に明確(上が先祖、下が子孫)  

  ・先祖からどのように枝分かれしたかを理解しやすい  

デメリット

  ・兄弟姉妹の関係を横方向に示すため、横幅が広がりがち  

  ・大人数の場合、縦に長大化しやすい 

家系図の基本ルールと記号

家系図には、家族関係を分かりやすく示すためのルールや記号が存在します。記号の使い方や線の引き方を統一すると、見やすく理解しやすい家系図に仕上がります。以下の基本ルールを押さえておきましょう。

家族関係の書き方

夫婦

 夫婦を表すときは、一般的に二本の横線で結びます。  

 結婚日などの情報を付記すると良いでしょう。

実の子供

 夫婦線から縦線を下に伸ばし、そこから子どもを結ぶのが基本形です。  兄弟姉妹は、同じ高さに並べて記入します。

養子

 養子の場合は、実の子供と区別するために点線や矢印、二重線などを使用して養子縁組であることを明示することが多いです。さらに養子である旨を注釈すると他者にも分かりやすくなります。

前妻、後妻

 一人の男性、または女性が再婚した場合、前の配偶者と後の配偶者を記載しますが、右にに前妻、左に後妻を配置することが多いです。  また前妻(または前夫)との間に生まれた子どもと後妻(または後夫)との間に生まれた子どもを、どちらの配偶者との子かが分かるように明確に線で示します。

兄弟姉妹

 同じ両親から生まれた子どもは、同じ世代として横並びに配置します。  日本語の様式上、長子から順に右から左へと並べると見やすさが増します。

離婚した時

 離婚した夫婦を示すときは、夫婦を示す横線を斜線で消す、あるいは破線や×印を入れるなどで表現することもありますが、基本的には注釈にてその旨を付記することが一般的です。

亡くなった人

 名前の上や横に「故○○」と表記したり、没年月日を追記したりします。

系図線の書き方のポイント

線がクロスするのを避ける

 家系図が複雑になると、線がどうしても交差しやすくなります。しかし線が極力クロスしないように配置を工夫することが重要です。やむを得ず交差する場合は、交差部分のどちらかの線を少しずらすと見やすくなります。  

家系図に追加する情報例

家系図をより深い資料にするために、以下のような情報を追加してみるのもおすすめです。

1.家紋

   先祖から受け継ぐ家紋を家系図に配すと、家の由来や歴史をより強く感じられます。家紋のデザインを小さく掲載するだけでなく、家紋の由来を注釈で説明するとさらに価値が高まるでしょう。

2.生年月日

   生年月日は個人を正確に特定するための重要な情報です。特に同じ名前の方が多い家系では、誤認を防ぐ効果が期待できます。

3.没年月日

   没年月日を記入しておくことで、その人の生涯についてより正確に把握できます。戸籍の除籍謄本などを取り寄せて確認すると、信頼度が高くなります。

4.その他に、本籍地や婚姻情報や養子縁組情報を入れると家系図に深みが出てきます。家を移る(名字が変わる)前と後のそれぞれの家の情報も系図に入れることはとてもおすすめです。

家系図の範囲

家系図を作るとき、「どこまで遡るか」「誰まで載せるか」は大きな悩みどころです。以下に判断基準を挙げます。

1.目的の明確化

   自分の直系祖先だけを知りたいのか、従兄弟や遠い親戚の情報まで盛り込みたいのか、目的によって範囲が変わります。  

2.収集可能な資料の有無

   戸籍や位牌、過去帳、文献資料などの資料を集める範囲には限界があります。古い時代になるほど、資料が失われている場合も多いです。

3.時間と労力のバランス

   あまりにも範囲を広げすぎると、調査や作成に膨大な時間がかかります。まずは自分の曽祖父母(高祖父母)までを対象にしてみるなど、段階的に範囲を広げるのも一つの方法です。