家系図作成するなら何系統にするべき?系統数によるメリット・デメリットや選び方をご紹介

2026.02.20

家系図における「系統」とは?

家系図を作ろうとするときに、まず出てくる言葉のひとつが「系統(けいとう)」です。系統とはそもそも何を指しているのか、系統数によって家系図の書き方がどう変わるのかについて解説していきます。

系統とは「どの家筋をたどるか」ということ

家系図は自分を中心にして、先祖をたどっていく図です。その際に「どの筋道をたどるのか」を示すのが「系統」です。言い換えるならば「名字」のことでもあります。

例えば、父方だけの名字を調べるのか、母方の名字も含めるのか、父方の祖父母の名字を調べるのか、父方と母方の両方の祖父母の名字を調べるのか。その枝分かれの数が「系統」という言葉で表現されます。

1系統

父方だけ、または母方だけをたどる。
例)自分から1系統(父方のみ)の場合

   父方
    │
   自分

2系統

父方と母方、両方をたどる。
例)自分から2系統(父方+母方)の場合

   父   母
     \ /
   自分

4系統

祖父・祖母を含めて4つの家筋をたどる。
例)自分から4系統(祖父母まで含む)の場合
父方の祖父と祖母および母方の祖父と祖母

8系統

祖父母のさらに上、曽祖父母(そうそふぼ)までさかのぼる。
例)自分から8系統(曽祖父母まで含む)の場合

16系統

さらにさかのぼり、16の家筋を広く調べる。

系統を理解するポイント

「系統」をイメージしやすくするために、3つのポイントを押さえておきましょう。

①出発点は自分
家系図は必ず自分(または調査対象となる人物)を基準に描きます。

②枝分かれの数=系統数
父母→2本の枝、祖父母→4本の枝…と、世代をさかのぼるごとに系統は増えます。

③調査系統を決める
「父方だけでいいのか」「母方も含めたいのか」「できる限り多くの系統をたどりたいのか」という目的によって、適した系統数が変わります。

系統数ごとの特徴とメリット・デメリット

家系図を作成する際に「どの系統まで調べるか」という選択は、完成した家系図の内容や見やすさに大きく影響します。

1系統だけに絞る方法から、4系統、8系統、もしくは16系統をたどる方法まで幅があります。

それぞれの系統数には特徴があり、メリットとデメリットも異なるため、ここでは代表的なパターンごとに整理して解説します。

1系統の家系図

特徴

父方あるいは母方の一方だけに限定して調べる家系図。
例として「父方の祖父の家系だけ」「母方の祖母の家系だけ」といった形で作成。

メリット

・調査範囲が狭く、短期間で完成できる
・費用が安く済む
・特定の家系(名字や本家筋など)を掘り下げたい場合に最適

デメリット

・他の家系の情報が分からず、全体像を把握しにくい
・家族や親戚の理解を得づらい場合がある

2系統の家系図

特徴

父方と母方、それぞれ一系統ずつを対象に調べる方法。
よくあるパターンは「父方の父系統」と「母方の父系統」の二つ。

メリット

・両親双方のルーツが分かる
・家族全体の理解を得やすい
・費用や労力のバランスが取りやすい
・祖父母にまつわる思い出を深く知ることができる

デメリット

・調査範囲が広がり、一系統より時間と費用がかかる
・系図の見た目がやや複雑になる

4系統の家系図

特徴

父方・母方の祖父母4人の系統をすべて調べるパターン。
家系図としては「やや本格的」とされる。

メリット

・両家の全体像が分かりやすい
・ルーツを「家族の集合体」として把握できる
・家族の誰にとっても関わりがあるので共有しやすい
・一定の深さと広がりを兼ね備えている

デメリット

・調査範囲が広くなるため、時間や費用が増える
・情報量が多くなり整理が必要

8系統の家系図

特徴

曽祖父母8人の系統を全て対象に調査。
代数が進むにつれて、ルーツが一気に広がる。

メリット

・家系図としての厚みが増し、読み応えがある
・将来的にさらに系統を広げる基盤になる

デメリット

・調査対象が多く、費用・期間ともに負担が大きくなる
・系図の整理・デザインに工夫が必要

16系統や全系統の家系図

特徴

高祖父母にあたる16人全員、またはそれ以上の全系統を調べる。
家系図としてはフルセットといえる本格的な調査に当たる。

メリット

・自分のルーツを徹底的に把握できる
・子孫への記録として非常に価値が高い
・他の系統との関連性や土地のつながりが見える
・後世に残す「財産」として意義が大きい

デメリット

・時間と費用が非常にかかる
・古い資料が見つからない場合もあり、空欄が残るリスクがある
・初心者にはハードルが高い

系統数ごとの比較表

系統数特徴メリットデメリット
1系統父方or母方の一方だけ手軽・安価・シンプル全体像が見えにくい
2系統父母それぞれ一系統両親のルーツをバランスよく把握費用と時間が増える
4系統祖父母4人の系統家族全員のルーツを見渡せる情報量が多く整理が必要
8系統曽祖父母8人の系統厚みと広がりがあり本格的費用・期間・難易度が上がる
16系統~高祖父母16人以上歴史研究的価値が高く後世に残せる調査が非常に大規模になる

このように、系統数を増やせば増やすほど「情報の深さと広がり」が得られる一方で、「費用や手間の負担」も比例して大きくなります。

したがって、目的や予算、そして「どのくらい深く知りたいか」を基準に、適切な系統数を選ぶことが重要です。

どの系統まで作るべき?

ここまで、系統数ごとの特徴やメリット・デメリットについて整理しました。

では実際に家系図を作成する際、どの系統まで調べるのが適切なのでしょうか。これは一概に「何系統が正解」と言えるものではなく、家系図を作る目的や誰に残すのかによって最適解が変わります。

家系図を作成する目的ごとに、おすすめの系統数とその理由を解説します。

1.記念や思い出として残したい場合|1〜2系統がおすすめ

「家族の記念として残したい」「父方のルーツだけでも知りたい」といったシンプルな目的であれば、1系統または2系統に絞るのが適切です。

短期間で作れるため、プレゼントや記念品にしやすいですし、調査費用も比較的安く済みます。系図がシンプルで見やすく、初めての人でも理解しやすい家系図となります。

<利用シーン>

・父の日や母の日に「自分の親の家系」を調べて贈る
・結婚式のプロフィール紹介で、父方・母方それぞれ1系統を紹介する

2.家族全体のルーツを共有したい場合|4系統がおすすめ

「自分だけでなく、家族全員に関係のある家系図を作りたい」という場合には、祖父母4系統を調べるのが最適です。

父方・母方双方の家の流れを整理するもので、一般的に家族全員に関わりがある範囲となります。系図としてバランスがよく、見た目も整っている上に、両親や祖父母にとっても「自分の系統が載っている」と実感することができます。

<利用シーン>

・親戚の集まりで披露し、家族全体の話題づくりに活用する
・子どもに両家のルーツを伝える教材として活用する

3.本格的にルーツを深掘りしたい場合|8系統がおすすめ

「もっと多面的に自分のルーツを知りたい」という方には、曽祖父母8系統を対象にするのがおすすめです。

それぞれの家が持つ地域性や姓氏の由来が見えてくることで、系図に厚みが出て、自分の背景を多角的に理解できる範囲となってきます。兄弟姉妹や親戚とも共有しやすいでしょう。

<利用シーン>

・郷土史や地域の歴史に興味がある方が調査する
・自分の子孫に「より深いルーツ」を伝えたい場合

4.研究的・記録的に残したい場合|16系統以上がおすすめ

「自分のルーツを徹底的に残したい」「子孫に資料として伝えたい」という場合は、高祖父母16系統以上を対象にするのが理想的です。

他の系統との関連性が浮かび上がりやすくなり、家系図としての完成度が上がります。後世に残す価値が大きい家系図といえるでしょう。
<利用シーン>

・自分の家系を研究して冊子化したい
・代々続く家の記録を「財産」として残す

目的・用途おすすめ系統数理由・特徴
記念・プレゼント・簡易版1〜2系統手軽・費用少なめ・見やすい
家族全体の共有・入門編4系統両家の流れが分かる・バランスがよい
本格的にルーツを探る・深掘り8系統厚みのある系図・歴史性や地域性が見える
資料として残す・価値重視16系統以上徹底調査・後世に残す価値が大きい

家系図を作るときの注意点

ここまで「系統とは何か」「何系統まで作れるのか」を説明してきましたが、実際に家系図を作る際にはいくつかの注意点があります。系統数を決める前に知っておくべきことを整理しておくと、完成後に「思っていたものと違った」と後悔することを防げます。

目的をはっきりさせる

家系図は「誰のために、どんな形で残すか」で最適な形が変わります。

・記念として残すなら1〜2系統で十分
・家族全員で共有するなら4系統が適切
・ルーツをしっかり深掘りするなら8〜16系統の情報量が必要
・家宝とするなら16系統以上で完成度を高める

最初に目的を明確にしておかないと、「もっと広げればよかった」「費用がかかりすぎた」といったミスマッチが起きてしまいます。

予算と時間を考える

家系図の系統数は増えるほど、調査にかかるコストも大きくなります。

「予算に合わせて系統数を決める」のも現実的な方法です。

系統数調査の大変さ費用の目安完成までの期間
1〜3系統簡単数万円~10数万円3ヵ月~
4系統比較的簡単20万円前後4ヵ月~
8〜16系統中程度数十万円以上5~8ヵ月
全系統難易度高い100万円以上10~12ヵ月

調べられる情報の限界を知る

家系図は理論上、何代でも遡れますが、実際には記録の有無が大きな制約になります。

残っている資料の量が変わってくるため「必ず16系統そろう」とは限らないのです。

保存と活用の形を考える

せっかく作った家系図も、「作りっぱなし」では意味がありません。

紙媒体(巻物・冊子)で手元に残るように作るのか、デジタルデータ(PDFやアプリ)で劣化せず共有がしやすいように残すのか、または両方を組み合わせて作るのかなど、保存方法や活用の仕方を考えておくと、次の世代にも伝わりやすくなります。

専門家に依頼するか、自作するか

家系図は自分で調べることもできますが、時間や調査範囲を考えると専門家に依頼するメリットも大きいです。

自作のメリットは比較的費用を押さえつつ作成ができ、思い入れが強くなるところ、専門家依頼のメリットは正確性が高く、効率的に進められるところなどが考えられます。

自分の目的やリソースに合った方法を選びましょう。

▼より具体的な方法を知りたい方のために、自分で家系図を調べる手順や、専門家への依頼方法を以下の記事で詳しく解説しています。

「家系図の調べ方」自分で調べる方法と専門家の活用方法を解説

まとめ

ここまで「家系図における系統とは何か、何系統まで作れるのか、そして系統ごとの特徴や注意点について解説してきました。

最後に、家系図作りにおける系統数の考え方を整理しておきましょう。

系統数を増やすメリット

◯系統数が多いほど、複数の家筋を同時に理解できる。
◯子孫後世に対して非常に意義のある資料的価値が高いものになる。

系統数を増やすデメリット

◯系統数が多いほど調査にかかる時間と費用のコストは大きい。
◯系図が大きくなりすぎて、きちんとしたレイアウトにすることができない場合、かえって複雑になり分かりにくくなることもある。

自分に合った系統数を選ぶポイント

◯予算を抑えて手軽に記念に残したい → 1〜2系統
◯両家のつながりをきちんと整理したい → 4系統
◯ルーツを本格的に知り、しっかりと後世に残したい → 8系統
◯後世に残す価値ある記録を作りたい → 16系統以上

家系図作成のゴールは「納得感」

家系図作りは「過去を知るための作業」であると同時に、「未来へつなぐ贈り物」でもあります。系統数の多い少ないにとらわれず、あなたやご家族が納得できる形で作成することが一番大切です。

これをきっかけに、ぜひ自分のルーツをたどり、家族の歴史を未来へ受け継いでいく家系図づくりを始めてみてください。